目次

1.何してる?防寒対策

皆様は防寒対策どうしてますでしょうか。あったかい食べ物や飲み物を摂取したり、服を多めに重ね着したり、運動したり、あったかいお風呂に入ったりと様々な防寒対策があると思います。今回は、食事を通した防寒対策について記載しようと思います。

2.寒さの原因は栄養失調?1, 2, 3

このタイトルを見て、驚かれた人がいるかもしれません。今回紹介するのは、栄養失調です。冬場は他の季節より寒く、運動しなくなり、普段よりも多く食べてしまうため、栄養失調が起こりにくいと感じた人が多いと思います。冬場の栄養失調には理由があります。その理由とは、体が冬場になると寒さに耐えようとしているのです。人間の体の構造上、中性脂肪やビタミンを使用し基礎代謝を上げたり、皮下脂肪を厚くすることによって寒さをしのいだりなど、様々な防寒対策を人間の体は行っています。また、冬場はお手洗いに行く機会が他の季節よりも多くなり、排尿によっても体内からミネラルが排出されやすいです。これらの理由より、冬場は思っている以上に栄養素を使用しているため、栄養失調になりやすい季節です。もしかしたら、冬場、寒いと思っている人は栄養失調になっているかもしれません。

3.冬場に必要な栄養素1, 2, 4, 5

前の節で、冬場にも栄養失調になることを紹介しました。この節では、具体的にどの栄養素が不足しやすいのか記載していこうと思います。

3.1. ビタミンB群1, 2, 4, 6, 7

ビタミンB群とは、ビタミンB1から始まり、B2,B6,B12,ナイアシン,パントテン酸,葉酸,ビオチンの8種類の総称で、水溶性のビタミンです。主な働きとしては、三大栄養素をはじめとする多くの栄養素の代謝や、エネルギーを生産するための補助としての役割があります。また水溶性のビタミンのため、一度に大量に摂取したとしても尿として体外の排出されやすく、毎日継続的に摂取したいビタミンになります。疲れが取れにくい方に摂取していただきたい栄養素です。

3.2. ビタミンC2, 4, 8

ビタミンCは、ビタミンBと同様に水溶性のビタミンの1つです。主な働きとしては、血管や歯、軟骨などを正常に保つ働きや、ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力の上昇、抗酸化作用などがあります。ビタミンCもビタミンBと同様、毎日継続して摂取したいビタミンです。肌に悩みがある方や、ストレスを緩和したい方にオススメなビタミンになります。

3.3. マグネシウム9, 10

マグネシウムは、体内に約20~30g存在するミネラルで、体内に存在するミネラルの中で多いミネラルになります。マグネシウムのほとんどが、骨や歯、筋肉、神経、脳に存在します。主な働きとしては、酵素の働きや筋肉活動、神経の情報伝達、体温などの調整のサポートをしています。精神を安定させたい方、意識してみてはいかがでしょうか。

3.4. 鉄分11, 12

鉄分は、体内に約3~4g存在するミネラルです。主な働きは、約7割が赤血球のヘモグロビンやたんぱく質などを構成する成分となっており、残りの約3割は肝臓などに蓄えられ、体内で不足した際に使われています。貧血予防をしたい方にオススメです。

3.5. 脂質13, 14

脂質は、エネルギーを生産する栄養素の1つで、1gあたり約9kcalものエネルギーを作り出すエネルギー源になります。主な働きは、上記で説明したエネルギー源の他に、脂溶性ビタミンの吸収促進や体温の保持などがあります。私たちには全体に欠かすことのできない栄養素なのですが、取りすぎてしまうと肥満の原因になってしまうために、注意が必要です。

4.必要な栄養素を摂取するために

ここまでで冬に必要な栄養素の話をしてきました。では、どのようにしたら効率よく摂取できるのかを考えていきましょう。
例えば、インターネットで検索した料理を真似して食生活を変えようとしたとします。最初の数回は気分転換になり良いと思います。しかし、今まで行ってきた食生活から一転するため、ストレスになりやすく、長く続かないと考えられます。また自分自身への負荷が大きく、健康のためにやっていることが、反対に健康に悪いことになってしまいます。そのため、食生活をいきなり変えるのは得策ではないと感じます。では、どうするのが良いのでしょうか。
最初は簡単でよいので数日間分ぐらい自分の食生活を振り返ってみましょう。様々な食事調査票がありますが、食べたものをグー・チョキ・パーの基準で1人前ごとに記録し、自身の食事を振り返ることが出来る食事記録があります (CANDの詳細はこちら)。

この振り返りにより、自身の食事傾向を理解し、足りない栄養素があると感じたら、足らない栄養素が入っているおかずを夕飯に1品増やしてみたり、普段何気なく飲んでいるペットボトルの飲み物を1本変えてみたりなど、自分に無理のない範囲で変えてみてはいかがでしょうか。このように簡単に自分の無理のない範囲で少しずつ変え、継続していくことがとても重要であり、健康に過ごしていく第一歩だと思います。

まず、自身の食生活を簡単に見直すところから始め、寒い冬を乗り切りましょう。

5.脚注