凛とした冷たい空気に風花が美しく輝くこの頃、貴社におかれましてはますますご発展のこととお喜び申し上げます。今回は、寒い冬にぴったりの具だくさんのけんちん汁をご紹介させていただきたいと思います。ご紹介する具材以外にも、お好きな野菜を入れてバリエーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。

【具だくさん!けんちん汁】調理時間30分(4人分)
(材料)
  • ◆大根…100g
  • ◆にんじん…100g
  • ◆里芋…100g
  • ◆こんにゃく…1枚
  • ◆ごぼう…100g
  • ◆油揚げ…1枚
  • ◆青ねぎ…適量
  • ◆ごま油…大さじ1
  • ◆A:だし汁…800cc
  • ◆A:酒…大さじ2
  • ◆B:醤油…大さじ1
  • ◆B:塩…小さじ3/2
(作り方)
  1. ①大根、にんじん、里芋、ごぼうは皮などを剥いて乱切りに、こんにゃくは食べやすい大きさにちぎり、油揚げは1cm幅に切り、青ねぎは小口切りにしておきます。
  2. ②鍋にごま油を熱し、乱切りにした大根、にんじん、里芋、ごぼうを入れ炒めます。さっと油が回ったら、こんにゃくも加えます。
  3. ③少し火が通ったらAの調味料をと油揚げを加え、野菜が柔らかくなるまで煮込みます。
  4. ④最後にBを加えて味を整えたら完成です☆仕上げに青ねぎを散らしましょう。

 けんちん汁とは、元来は精進料理なのだそうです。そのため肉や魚は加えず野菜のみ、出汁も鰹節や煮干しではなく昆布や椎茸から取るのが特徴のようです。神奈川県鎌倉市にある建長寺の修行僧が作っていたため、「建長汁(けんちょうじる)」がなまって「けんちん汁」となったと言われる説もあるそうです。また百科事典などでは、「けんちん汁」に「巻繊汁」の字をあてて、普茶料理の巻繊(けんちん – 野菜を刻み、豆腐を混ぜて炒め、油揚げか湯葉で巻いて油で揚げた料理)と関連づけて紹介されているそうです。

けんちん汁には根菜が具材として沢山入っていますよね。根菜は冬が旬の野菜が多いので、寒い今の時期にはぴったりなレシピかと思います。
 大根はビタミンCが豊富です。胃腸の働きを助けてくれる酵素が複数含まれています。さらに、塩分の排出を助けるカリウムも豊富に含まれています。辛味成分のイソチオシアネートには、解毒や免疫機能を活性化する効果があると言われています。¹⁾にんじんにも高い抗酸化力があり、こちらも免疫機能の向上が報告されています。²⁾里芋に含まれるガラクタンにも免疫機能を高める働きがあり、今の時期にぴったりの野菜たちですね!³⁾

2013年12月に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことはご存知でしょうか。無形文化遺産とは、「芸能や伝統工芸などの形のない文化であって、土地の歴史や生活風習などと密接に関わっているもの」のことです。和食には次の4つのような特徴があります。

  • ①多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
  • ②健康的な食生活を支える栄養バランス
  • ③自然の美しさや季節の移ろいの表現
  • ④年中行事との密接な関わり

 都市化や過疎化の影響で、地域の催事で食事をすることが減少し、郷土料理を残すことが難しくなってきましたが、海外で高い評価を受けた「和食の意味」を考え、大切にしていきたいものですね。⁴⁾

弊社では、新規の食事調査票である「CAND(Calorie and Nutrition Diary)」を開発いたしました。食事調査法のツールとしてはもちろん、栄養素の算出も承っております。下記URL先より、詳細をご覧いただけます。食事調査票としての妥当性・信頼性は査読付き雑誌で確認されておりますので、食事調査法の選択肢の一つとして、十分にご活用いただけます。

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引き続き皆様に満足いただけるような情報を提供させて頂きますので
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

【参考文献】
  • 1)新出真理監修,「くらしに役立つ栄養学」,株式会社ナツメ社,2021年,p193
  • 2)新出真理監修,「くらしに役立つ栄養学」,株式会社ナツメ社,2021年,p182
  • 3)新出真理監修,「くらしに役立つ栄養学」,株式会社ナツメ社,2021年,p211
  • 4)新出真理監修,「くらしに役立つ栄養学」,株式会社ナツメ社,2021年,p26

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