木々の緑の深みも増し、夏めいてまいりましたが、皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。いつも身に余るお力添えを賜り、心からお礼申し上げます。
前回に引き続き、夏野菜のご紹介です。今回はスタミナ料理に欠かせない夏野菜、ニラについてご紹介いたします。

【豚バラ肉のニラ炒め】調理時間10分(2人分)
(材料)
  • ◆ニラ・・・1束
  • ◆豚バラ肉・・・150g
    下味:塩、こしょう、酒、片栗粉・・・各少々
  • ◆にんにくのみじん切り・・・小さじ1
  • ◆しょうがのみじん切り・・・小さじ1
  • ◆もやし・・・1/2袋
  • ◆合わせ調味料
    • ・酒・・・大さじ1
    • ・オイスターソース、しょうゆ・・・各小さじ1
    • ・とりガラスープの素・・・小さじ1/2
    • ・塩、こしょう、砂糖・・・各少々
  • ◆ごま油・・・小さじ2

(作り方)

  • ① ニラは4~5cmの長さに切り、根本と葉先を分けておく。
  • ② 豚肉は下味を加えてもみ込む。
  • ③ フライパンにごま油を熱し、にんにく、しょうが、豚肉を入れて炒め、香りが立ったらもやし、にらの根元を加えてさらに炒める。
  • ④ 肉の色が変わったら、ニラの葉先を加えてさっと炒め合わせる。
  • ⑤ 合わせ調味料を回し入れて全体にからめて完成。

 ニラは『古事記』や『万葉集』にも登場し、古くは薬草として利用された歴史があります1)。ビタミン、ミネラル類と、アリシンという独特の強い香り成分が含まれることが特徴です1)。また、前回もご紹介いたしましたβ-カロテンとビタミンKの含有量は野菜の中でもトップクラスです。

 以前のReport No.47でもご紹介いたしましたが、香り成分のアリシンには疲労回復に役立つとされるビタミンB1の吸収を助ける作用があります。アリシンはビタミンB1と結合すると血液中に長く留まる性質があるため、ビタミンB1を多く含む豚肉などと一緒にとることがおすすめです1)
 また、ニラの根元には葉の先の約4倍のアリシンが含まれるため、根元を捨てないように調理してください1)。根元には泥が付きやすいため、ボウルに水を溜め、もみほぐすように洗いましょう。

 ちなみに、アリシンは加熱することにより「スコルニジン」という成分に変化いたします2)。スコルニジンには新陳代謝を活発にし、疲労回復効果があるとされています3)。血管を広げて血のめぐりをよくする働きがあるため、冷え性の改善に効果が期待できます3)。また、血液をサラサラにする働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防にもよいとされています。

 皆様もこれからが旬の夏野菜を食べて、一緒に体調を整えていきましょう。

弊社では、新規の食事調査票である「CAND(Calorie and Nutrition Diary)」を開発いたしました。食事調査法のツールとしてはもちろん、栄養素の算出も承っております。下記URL先より、詳細をご覧いただけます。食事調査票としての妥当性・信頼性は査読付き雑誌で確認されておりますので、食事調査法の選択肢の一つとして、十分にご活用いただけます。

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 引き続き皆様に満足いただけるような情報を提供させて頂きますので
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

【参考文献】
  • 1) 飯田薫子、寺本あい,一生役立つきちんとわかる栄養学,西東社,2020年.
  • 2) 喜多野宣子・近藤民恵・水野裕士, 食べ物と健康Ⅰ, 化学同人,2012.
  • 3) わかさの秘密,https://himitsu.wakasa.jp/contents/allicin/,(最終閲覧日2021/6/22)

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